クロス(壁)の損耗・汚れの具体的事例(その2)
今回はクロス(壁)についての解説(その2)です。
番号は前回からの続きからナンバーリングしてます。
7)電化製品(テレビ、冷蔵庫など)によるその背面のクロスの黒ずみ
入居した当時真っ白だったクロスもいわゆる電気やけによりだんだんと黒ずんできます。
テレビ、冷蔵庫などは生活必需品ですのでこのような電気やけの損耗も借主の通常使用でも避けられない現象ですので、借主の負担ではありません。
8)エアコン設置による壁のネジ穴やビスの跡
テレビ、冷蔵庫と同様にエアコンを設置している家庭がほとんどでしょう。
したがって、これらの設置による壁のネジ穴やビスの跡も通常使用による損耗として借主が修繕する必要はありません。
9)エアコンからの水漏れによる壁の腐食やカビの発生など
エアコンの保守・点検は所有者の行うものであり、その保守や点検を怠ったために発生した損耗については借主の善管義務違反として借主がその修繕費用を負担することが多いようです。
また、そのエアコンが家主所有で最初から設置されている場合でも、借主が水漏れに気ずいていても放置している場合には、やはり借主の善管義務違反として借主にその修繕費用の負担を求められるケースが多いようです。
10)結露の放置が原因のクロスのカビやシミ
結露は、建物の構造によって決まります。
したがって、このケースも通常使用によってもありうるケースですので、借主が負担する必要はありません。
これは判例にもでています。
11)引越し時にできた引っかき傷
引越し時に家具の移動の際に、友人と一緒に運んでいた家具があたって壁に大きな傷ができたなんてこともあります。
この場合は借主の善管義務違反としてその修繕費用の負担を求められるケースがありますので注意してください。
12)犬やネコなどのペットの引っかき傷
賃貸マンションなどでは、今だペットの飼育可というところは少ないと思いますが、ネコの爪の手入れで引っかき傷が激しい場合など、借主の善管義務違反としてその修繕費用の負担を求められるケースが多いです。
このようにペットを飼育する場合は充分に注意する必要があります。
最近ペット可とする賃貸マンションもありますが、この場合も同様ですので大きな傷は借主負担を求められますが、軽微な傷は家主との話合いになりますが、免除となるケースもあるようです。
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