小額訴訟とは:敷金返還・賃貸トラブル相談室

敷金返還交渉や賃貸トラブルには法律の知識やノウハウを知らないと多大な請求に驚く場合もあります。トラブル解決の方法、ノウハウや、コツについて解説します。

小額訴訟とは

小額訴訟の制限とは

小額訴訟には回数の制限があります。同じ当事者が同じ裁判所で利用できる回数は年10回に制限されています。 (これはヤミ金融の取立てに制限を加えるためです)

被告がもし反対した場合小額訴訟は起こせません。被告には小額訴訟かもしくは通常訴訟によるかの選択権が保障されているのです。

小額訴訟の判決には控訴ができません。異議申立ては認められています。異議申立ては判決書または調書の送達を受けた日から2週間以内にしなければなりません。

異議申立てがされた場合は、訴訟は口頭弁論終結前にもどり、同じ簡易裁判所で通常裁判となります。


小額訴訟~法廷での審理

法廷には裁判官の他、民間から選ばれた調停役の司法委員と書記官が出席します。裁判所にもよりますが、東京簡易裁判所の場合にはラウンドテーブルを囲んで裁判官も背広という雰囲気の中で審理が進められます。

最初に裁判官が小額訴訟についての注意点を説明してくれます。その後、裁判官が争点整理をして、当事者の主張を聞いたり証拠調べをします。和解できるものには和解の勧告をします。和解できなければその日のうちに判決を下します。

小額訴訟の判決では、3年を限度に分割支払を認めたり、支払猶予を認めたりします。また、請求を認めた判決には、仮執行宣言が付されますので強制執行ができます。


小額訴訟の手続き

少額訴訟の訴状は簡易裁判所に提出します。この場合、敷金返還請求・賃金返還・売掛金といった定型フォームがあって、それに書き込めばいいようになっていて簡単にできます。

訴状の提出先は債務者の住所の簡易裁判所です。

訴状が受理されると口頭弁論の期日が指定され、呼び出し状が送付されてきます。その時原告には説明書が、被告には訴状副本が送られてきます。

被告は主張したいことがあれば答弁書を裁判所に提出します。この答弁書も定型フォームが簡易裁判所に用意されており簡単に作成できます。

提出できる証拠は当日に取り調べることができるものに限られ、証人も当日に法定に在廷可能な者に限定されます。


小額訴訟とは

債権が60万円以下の金銭支払請求に限られますが、1日で審理が終わり直ちに判決が言い 渡されます。弁護士とかを用意する必要もありません。
小額訴訟は民事訴訟法にその規定があります。(368条から381条まで)

【小額訴訟が規定された背景】
金銭の支払いに関するトラブルの解決法の1つとして、従来は裁判における債務の確認と支払い、強制執行権の付託を請求して争うことがほとんどでした。しかしながら、例えば

1)アルバイト・パート賃金の不払いトラブル
2)敷金の返還を求める
3)個人との間における借金で少額なもの

などのような訴訟金額が少額であるトラブルでは、わざわざ通常の裁判を起こすと、時間の面や費用の面で全く割りが合わず、結局原告側に泣き寝入りせざるをえないなどの問題がありました。

このような背景から、少額の金銭トラブルに限定して、訴訟費用を抑え、さらに迅速に審理を行う制度としてこの小額訴訟が設けられました。初めは30万円以下の訴訟が対象とされましたが、想定外の利用者が集まり、加えて異議申立ても少なかったことから、裁判所側としては概ね制度としては順調と判断されたようであり、2003年(平成15年)の民事訴訟法改正で取り扱い枠が広げられて、現在では60万円以下を取扱の対象となっています。

また小額訴訟の特徴としては
1)被告に資力がない場合は、判決で分割払い、支払の猶予などを定められる(第375条第1項)
2)控訴できない(第377条)。ただし、異議申立てはできる(第378条)
3)異議後の判決に対して控訴ができない(第380条1項)ただし特別上告できる(第380条2項)

などがあります。

小額訴訟は少額といえども、適切な対応が求められます。例えば通常裁判と同じように答弁書その他の準備書面を提出せずに口頭弁論期日に欠席すれば擬制自白が成立して、自動的に敗訴となり、強制執行が可能となる少額訴訟判決が出されますので注意が必要です。

さらに、反訴はできないので、審理に入る前に通常訴訟への移行を申し立てた上で反訴を提起する準備も考慮するケースもあります。



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