仙台簡裁判例(平成8年11月28日、事例7):敷金返還・賃貸トラブル相談室

敷金返還交渉や賃貸トラブルには法律の知識やノウハウを知らないと多大な請求に驚く場合もあります。トラブル解決の方法、ノウハウや、コツについて解説します。

仙台簡裁判例(平成8年11月28日、事例7)

(事実の要約)【事例7、敷金19万8千円、返還16万1435円】
借主Yは、貸主Xとの問で平成2年2月28ロアパートの賃貸借契約(期間、賃料は不明)を締結し、敷金19万8千円を支払った。
退去後、Y立会いのもとAが点検をAが修繕を要すると判断した箇所及び見積額を記載した「退去者立合点検見積書」を作成したうえで、Yにサインを求めたが、Yは鵬に落ちなかったため、一旦は拒否した。


・工事内容
a)畳修理
b)ふすま張替え
c)壁修繕
d)天井修繕
e)床修繕
f)クリーニングエ事
g)その他修繕
h)玄関鍵交換
i)消費税


Xは、補修工事を実施し、33万6810円をため、賃貸借契約書の原状回復義務及び修繕特約に基づき、Yに対して修繕費等から敷金を控除した残金の支払いを提訴した。

(判決要旨)
裁判所は、
1)修繕を要すると判断した損傷箇所の内容等についての具体的明確な説明がなく、Aが部屋自体がそれほど汚いという記憶もなかったということから、使用により生ずる程度を超える損耗等があったとは認められない。
2)居住用の賃貸借においては、汚損は賃料によってカバーされるべきものと解すべきで、その修繕を賃借人の負担とすることは、賃借人に対して新たな義務を負担させるものというべきであり、賃借人がこの義務について認識し、意思表示をしたことが必要である。
3)修繕特約は修繕義務を免除したにとどまり、更に特別の事情が存在する場合を除き、賃借人に修繕義務を負わせるものではないと解すべきところ、本件において、特別の事情の存在を認めるに足りる証拠はない。

うちa)~e)の修繕費については、理由がないとして斥けるとともに、Yが敷金と支払い義務を認めるf)~h)修繕費及び消費税を対等額で相殺することを認めた。


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